久しぶりに湯船にお湯をはって入った。シャワーだけのときよりも力をこめてゆっくり体を洗う。いつもの速度では、なにも汚れなど落ちていなかったのではないかという気がしてきた。
浴槽のふちのところには小さいハムスターのフィギュアが置いてある。引っ越してすぐの頃、おじゃる丸のバスボールを使ったときに中に入っていたハムスター。とりあえずと、そこに置いたままになっている。
バスボールは引っ越す前に働いていたところの先輩にあげようと思って買った。おじゃる丸のグッズを探したのだけれど、あまりグッズ展開されていないようで、NHK ショップにあったおじゃる丸グッズはバスボールだけだった。結局渡さなかったのか、二つ買ってひとつは自分用にしたのか、思い出せない。
ボディソープ、シャンプー、リンスに並んで、濡れたまま使えるボディミルクが吊り下がっている。冬、シャワーを浴びたあと肌が乾燥してどうにもかゆくなるので買った。最近はほとんどそれに手を伸ばすことがなく、久しぶりに手にとると、ノズルの先端のところが少し固くなっていた。自分の肌もまた、他のあらゆるものと同じで、乾燥したり、状態変化するのだと実感をもったのはいつからだろう。子供のころは、自分の肌などそれを意識できないほどに透明な存在だった。季節や環境によって自分の体が変化するなんて、なんだか冗談みたいだ。
