2023.6.23

初老の男性2人が途中の駅で乗車してきて、そのうちの一人が自分の横に座った。もう一人はその人の前で立っている。

ゴルフはやるのかと、座った人は立っている人に聞く。立っている人は耳が少し遠いのか、一発で聞き取れない。座った人はもう一度それを聞き直す。二人は一見すると同じ年齢にみえるけれど、沈黙から会話を生み出すのは常に座った人のほうで、それがなんだか、二人の差を感じさせる。

歳が同じで、しかし、自分よりも早く老いてしまった友達がいたとして、そうやってできた差を抱えたまま、相手をケアするように話すしかできなくなったとき、のことを想像した。